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・ヘッドの加工も終わりバルブを組むのだがその前に再度、洗浄する。
・オイルの通路に外しやすいメクラボルトがある場合は取り外す。ホース類等も外しておく。

 ・アルカリ洗剤+H₂o(ただの水)へしばらく漬けておいて古歯ブラシでゴシゴシして最後に水で洗い流す。
 ・エアーで水を飛ばす。オイル通路等を念入りに。
 
・水を飛ばして今度はパーツクリーナーで通路を洗浄する。この時、通路に吹いたパーツクリーナーがどこからか出て詰まりがない事を確認する。
 
・パーツクリーナーをエアーで飛ばして次は錆び止めにCRCを吹く。
鉄の部分を重点的に。
 ・CRCを吹き終わったら再度、エアーガンでCRCを飛ばす。
 ・出来た!!
・ヘッドに付いていたホース類・メクラボルトもパーツクリーナーで洗浄して借り付けしておく。
 ・バルブを取付ける前にカムを取り付けて確認する。

・今回はJUN製の画像のカム。

  ・4本もあるので間違えないように一時保管用のビニール袋に取付け位置がわかるようにシールを貼った。カムにもマジックで書いている。
  ・まずは右バンクのIN側からカムを取付けて見る。

・カムホルダーヘッド側にたっぷりオイルを塗る。

・この時使うオイルは安物のエンジンオイルでも可能。まあサラダ油やミシンに使うオイルでも良いが・・そんな人はいないだろう・・
  ・カムホルダーキャップ側もオイルを塗る。
  ・2、3回に分けて規定トルクまで順番に締めて行く。規定トルクは1.15~1.45kg・mなので最終1.3kg・mで締めた。

・ちなみにトルクレンチは使い終わったらロックを外しいっぱい緩めて保管しておくと狂いにくい。
  ・全てのキャップボルトを締め終わったらカムが手で軽く回るか確認する。
 ・手で回らないようならモンキーをカムにかけて回す。

・少し回せばオイルがまわり手で回せる位になるはずだ。

・もしモンキーでも回らないまたは固すぎる場合・・・かなり面倒な事に・・・

考えられる原因

1、カムが違う。

→今回のエンジンの場合EJエンジンでも4種類ある。ジャーナル径が微妙に違うのだ。もしカム山がヘッドにあたりそれ以上まわらない場合はあたる所はルーターやベルトサンダーでヘッドを削り逃げを作る必要がある。DOHCエンジンでハイリフトカムを使う場合は必須になる事が殆ど。

2、カムホルダーの取付け場所が違う。

→間違えて右INの2番目に左INの2番目のカムホルダーキャップを取り付けているとかの場合。ヘッドを作る時に穴が開いていないカムホルダーを取付けてボーリングして穴をあけているので場所が変わったら微妙にずれてしまうのでこのような事態になる。同じエンジンのヘッドでも別のエンジンのカムキャップは使えない。そのヘッド専用になる。クランクの場合も同じ。

2、カムが曲がっている。

→今回のように短い場合はプレスで押して直せない事はないだろうが通常は奥さんの花壇に突き刺してオブジェにしたり小さく切断して彼女のイヤリングとして贈り物にするのが大道だろう。

番外編・・・カムホルダーキャップがないがどうしても別のエンジンの物を使いたい。

超希少なヘッドや愛する人のかたみでどうしても復活させたい場合・・過去に作業を行った場合がある事は・・・ある。

カムをヘッドにのせてまず両端のカムホルダーキャップを取付ける。今回の場合だと1番と4番だ。6気筒の長い物も同じ。
この状態だとまず手で回転する。カムの中央に向かって一つづつ取り付けて回していく。残り少なくなって回らなくなるキャップが出て来るので手持ちの他のキャップを取付けてみる軽く回れば次のキャップに移る。手持ちのキャップがない場合またはどれを使っても固い場合はバルブすり合わせ用コンパウンドをキャップとカムに塗ってモンキーでカムを回転する。ある程度まわしてキャップを外してみるとあたりがキツイ所がわかる。そこを少し磨いて行くかあたりを見た時のようにコンパウンドを塗りながらモンキーで軽くなるまでひたらすらまわしていくかだ。

今回は問題ないのでバルブ取付け作業に移る。
   ・バルブスプリングシートを取付ける。今回のエンジンの場合はバルブステムシールを取付けた後でもシート取付け可能だが後からシートを取付け不可のエンジンも多いのでシートは先に取付けておくようにする。
 ・16カ所にバルブスプリングシートを敷いた。
 ・バルブスプリングコンプレッサーはシンプルな物が一番良い。画像の矢印の所がスライド出来て便利な物があるが強化スプリング等の場合、曲がってしまって使えない場合がある。

・以前、使っていた物はニッサンのA型用 外国製の強化バルブスプリングを取付けようとしたが一発で曲がり廃棄処分となってしまった。
 ・バルブステムシールを取付ける。画像のようにシールの金属の部分にあたるようなソケットを用意する。

・シールのゴムの部分にグリスを塗っておく。初期のゴムのめくれやかじりを防止出来る。グリスはベアリンググリス シリコングリス等でOK。
 ・体重をドライバーにかけて押し込む。
 ・バルブガイドにエンジンオイルをたっぷり塗る。
 ・バルブのステムにもエンジンオイルを塗る。
 ・バルブスプリングは巻きが密になっている方を下にする。指定方法と逆に組んだ場合、高回転でサージングが起き最高回転が頭打ちになってしまう。
 ・スプリングコンプレッサーでスプリングを縮める。
・細いマイナスドライバー等でグリスを塗って餅代わりにすればコッターピンがバルブステムに引っ付きうまくいきやすい。
グリスを使わない場合はエンジンオイルを塗ってコッターピンを装着する。
 ・次々とバルブを取付けていく。
 ・全てバルブを装着出来たらハンマーでバルブステムの頭を軽く叩いて馴染ます。鉄ハンマーで直接でも良いが心配ならウエスを2、3枚敷いてコツコツと叩いてやれば良い。プスティクハンマーは先のクズクズがゴミとなり落ちる場合がある。
 ・16本バルブが付きシム合わせ作業に移る。
 
①始まり・ポート・燃焼室加工パート1 ⑥燃焼室・ポート仕上げ・圧縮比計算
 ②バルブ磨き&バルブフェイスカット ⑦ブレーキチューニングしよう編
 ③シートカットも自分でやろう編 ⑧CADで設計して加工屋さんに発注しよう編
 ④燃焼室容積を計ろう編  ・CADデーターダウンロードページへ 
 ⑤エアーコンプレッサーを治そう編 ⑨ブレーキチューニングしよう編2
(キャリパーステー)
 
   ⑩バルブを組もう編1
   ⑪バルブシム調整