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・エンジン腰下を組む。
・今までエンジンは何基組んだだろう。別のスタッフが200基までは古ヘッドGKを残しておいて数えたがそれ以降、面倒くさくなってやめてしまった。
・またL型は初めて組んだエンジンと言う事で思い入れもある。
若かりし頃、勤め先の会社の寮で分解したL型を持ちこんで組んだは良いが二階だったので持ち出しが出来なくなりまた部屋がオイルもつれになり殴られた日々・・・
パチンコ屋の駐車場で廃品の冷蔵庫を設置して渡り木を渡してチェーンブロでS30Zに積んでいたら殴られた日々・・
ついでにパチンコ屋の駐車場でレンタルで借りてきたコンプレッサーで全塗装して半殺しになった日々・・・
それを教訓にボクシングの稽古に励んだ日々・・
思い起こせばいつもそばに彼女がいた・・
嫌だが付きまとわれた日々・・
今も付きまとわれている・・・
気合をいれて行こう。
・ベースのブロックは上記車検証の430グロリアのL28エンジン N42ブロック。ひさちゃんソアラに搭載されていた物だ。ヤフオクで購入してもらいストレーナーを前方に移している。
・元々、86.5mmピストンに変更 ブロック上面修正面研してOHしてあまり乗ってなかった。今回、さらに89mmピストンにボーリングした。
・ボーリングや上面研磨をする場合は水穴メクラは外さずにクランクキャップも全て規定値で締め付けて加工屋さんにお願いする事。
後でクランクキャップを締めたりメクラを入れた場合、シリンダーの筒が歪むのでピストンクリアランスが変わってしまう。
画像はボーリング後にメクラを外しワイヤーブラシで擦っている。
加工後、洗浄も行ってくれているがなおパーツクルーナーで洗浄している。特にオイル通路は念入りに行うべきだ。
・メクラを外す時はマイナスドライバーを当ててハンマーで叩いて外す。
・ボーリングや面研は自社で行っていたが最近は行ってないので外注に出した。岡山県の戸田レーシングさんにお願いしたがここは安くて綺麗に仕上げてくれるのでお勧め。 |
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・ピストンは鍛造89mmピストン 中古品 片坊が送って来てくれた。
・コンロッドはH断面の新品 これも片坊が送ってくれた。
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・コンロッドメタルは亀有強化品 厚さはやや狭め
・ニッサン純正のスタンダードは・・・使わない方が良い。
厚さが選べないのでクリアランスが広めになり特に中古クランクの場合は打音が出る。(純正メタルを使うと6/100mm位のクラランスになる)
・ニスモ強化メタルを使う場合は1番メタルメタルを使う。品番の末尾の数字が1の物だ。
今回、使用する亀有メタルやや狭め ニスモ1番メタルでクリアランスは4/100位になる。ニスモの場合、1番違うと2/100mmクリアランスが変わる。 |
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・クランクメタルはニスモの一番メタル クリアランスは5/100mm位になる。純正スタンダードの場合 7/100mm〜8/100mmになり広すぎる。
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・クランクは曲がり修正と単体バランス 一本キー溝加工。
・L型ノーマルだと6000回転位しかまわらないがハイカム等チューニングすると7000回転〜8000回転まわす。その時に純正のキーだと確実にキーがとんでクランクプーリーがキーを飛び越しまうので必須だ。
・もしキー溝が飛んで修復不可能なクランクがあった場合は反対側に一本キー溝を掘ってもらう。その場合はクランクプーリーのタイミング用の溝も反対になるので反対側に鉄ノコやヤスリで溝をつけて点火タイミングがわかるようにしておく。
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・L型特に前期ブロックはかなりの年数が経っているので錆もかなり進行している。ブラストやワイヤーブラシで錆びをあまり落として画像のオイルパイプ等に穴が空いたらもう終わりなのでパーツクリーナーやスチーム洗浄機で洗い流す位にしておいた方が良い。
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・メクラを打ち込む面を1000番のペーパーで軽く磨きブロック面とメクラに液体ガスケットを塗って適当なハンマーで打ち込む。ねじロックを塗っても良い。 |
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・ブロックと面一でも良いがテーパー面があるので0.5mm程度 内に入るように叩き込んでいる。この位が一番効く位置だ。 |
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・鍛造ピストンの指定クリアランスは7/100mmだがボーリング屋さんには6/100mmで指定した。純正ピストンや社外鋳造ピストンは4/100mmでボーリングを行っているが社外鍛造ピストンは指定クリアランスがかなり広い。自分としてはクリアランスは極力狭めが良い。エンジンのフィーリングが良いしオイル上がりも少ない。ターボの場合ピストン温度がNAに比べて上がるので指定の7/100mmでも良いとも思うが今回、NAなので6/100mmを指定した。
自分のエンジンだったら5/100mm指定にする。
・一応、クリアランスを確認する。
・スカートの下の方で一番大きい所をマイクロゲージで測定して。
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・ダイヤルゲージに写し取る。
・ダイヤルゲージのカバーを矢印ように回転して0に合わす。(画像はメタルを測定している所でマイクロゲージが違うが方法は同じ)
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・0に合わせたマイクロゲージをシリンダ-に突っ込み一番広い所に合わす。0より手前に針がくるのでピストンより6目盛り広いと言う事になる。一目盛りが1/100mmなのでクリアランスは6/100mmと言う事になる。
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・クランク親メタル・子メタルも同じように測定した。
・クランク子メタル クリアランス4/100mm
・クランク親メタル クリアランス5/100mm
予定通り。 |
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・再度パーツクリーナーで洗浄してメタルのあたり面はゴミがないように素手で指でさらう。ウエスや軍手で触ってはいけない。その後、メタルを取り付ける。
・矢印の両端は幅の広いメタルを装着する。真ん中はつば付きのスラストメタルを取り付ける。 |
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・・クランクキャップ側も同じようにメタルを取りつける。
・メタルの裏には絶対オイルが付かないようにと言う解説もあるが1レースを走ってエンジンを分解してみたらメタルの裏にオイルがまわっているのでオイルが付いたらほこりが付きやすいので脱脂してオイルが付かないようにと言う意味だ。
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クランクをパーツクリーナーで洗い流してクランクとメタルへたっぷりオイルを塗りクランクを乗せる。真ん中のスラストメタルはクランクが前後しないようにツバがついているのでそこへもオイルを塗っておく。
・三回位に分けて純正クランクボルトの場合は最終5.5kg-mで締め付ける。
・締め付けたら手で回してみて軽くまわれば成功。引っかかりや重い場合はもう一度、分解してやり直し。
クリアランスを測定してクランクキャップの順番を間違っていなければまずそう言った事はないだろう。画像をよく見るとポンチでクランクキャップに印を入れているのがわかると思う。前回OH時に入れたものだ。
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・スラスト方向のクリアランスも確認しておく。L型の場合、スラストメタルの厚さは一種類しかないのでクランクがよほどちびていないならまず良い。ダイヤルゲージをクランクの先端に取り付けて画像のようにマイナスドライバー等でクランクを前後してクリアランスを測定する。限度は0.1mm それに近かったらスラストメタルを交換する。ただ測定しなくても見た目でわかるドライバーで前後させて動いたか動かないか位の所でちょうど良い。それでクランクを片手でまわしてみてスムーズにまわればOK。 |
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・ところでノーマルコンロッドをフルフローする場合、一時期 加工代が安いと言う理由でリン青銅のブッシュを入れずにコンロッド小端部を加工するのが流行ったがやめておいた方が良い。1万kmも走行したらコンロッド側が削れてクリアランスが広くなり音が出る。
・クランクが終わったらピストンとコンロッドを合体する。
・その前に重量を計っておく。
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・ピストンを削る場合は通常赤い部分を削るのだが1g=1円玉なので2g削るとなるとかなりの量になりピストンの強度も不安になる。
・理想はピストン重量差限りなくゼロ コンロッドも重量差ゼロ よくを言えばコンロッドの小端部 大端部の重量もおのおの重量差ゼロでコンロッド全体の重量差もゼロが良いが今回の場合、H断面を削るのも気が引けるのでピストンとコンロッドの組み合わせで重量バランスをとってみる。ピストン部+コンロッドを合わせた気筒重量差で1g以内なら良しとしよう。
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気筒番号 |
ピストン |
ピストンピン |
コンロッド |
合計 |
1 |
395.0 |
81.5 |
582.0 |
1058.5 |
2 |
395.0 |
81.5 |
581.5 |
1058.0 |
3 |
395.0 |
81.5 |
582.0 |
1058.5 |
4 |
395.5 |
81.0 |
581.5 |
1058.0 |
5 |
394.0 |
81.5 |
582.0 |
1057.5 |
6 |
395.5 |
81.0 |
581.5 |
1058.0 |
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単位はすべてg。
・ピストンはリングを組んだ状態。リングは新品のようなので合口の角を1000番のペーパーで磨いている。ピストンのリセスやスカートの角が中古ピストンで丸みがあるのでそのまま使用。
・コンロッドはメタルなしの重量。
・ピストンはボーリング時の指定で気筒番号が決まっている。ピストンピンとピストンは中古であたりが付いているので組み合わせを変えない方が良いので組み合わせを変えられるのはコンロッドだけなのでそれで組み合わせたのが左の表。
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・ところで今回のコンロッドにはオイルジェットの穴がない・・・
・通常はコンロッド側面に小さな穴があって矢印のようにオイルをピストン裏に噴射している。エンジン正面に向かって穴が左に来るように組む。理由は画像の角度の時にオイルが吹くようにする為だ。これが逆だとピストンの裏に吹かずにシリンダーの壁に当たるようになる。ピストンが一番熱くなるのは当然リセスのある面で裏から冷やそうと言うもくろみだ。また、オイルをいつも吹いているわけではなくクランクのオイル穴とコンロッドの穴があった時に吹く。そんな事はしないだろうがクランクのオイル穴の位置を変えた場合はオイルの噴射位置がずれてしまう。
エンジンに向かって右回転の場合はオイル穴は左 ホンダ等左回転の場合は右に穴が来るようにコンロッドを組む。
・RBエンジンなどはこれに加えてブロックからノズルが出ていてそこからもオイルを噴射させている。
・両方なくて良いのだろうか・・・
・ダメだろう・・そこのオイルピストンピン シリンダー壁の潤滑をしているんだから・・・
・疑惑はますます深まった・・・
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疲れたので続く。 |
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・ブログを観た片坊から連絡があり「コンロッドに穴あけてチョ」と言うのでコンロッドに穴を空けると言う大罪を犯してしまった。
・穴計は2.2mm メタルを取り付けて穴を空ける位置にサインペンで印をつけてポンチを打ってボール盤で穴をあける。コンロッドは曲面だがメタル側からまっすぐ穴が空くように万力にセットすると良い位置で穴をあける事ができる。
・バリが出るので6mm位のドリルをタップのハンドルに取り付けて手動でまわせば綺麗にバリを取る事が出来る。
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・外国製のコンロッドはピストンピンが入らない・・ホーニングしないと入らないのが普通だ。その時は1000番程度の耐水ペーパーをまるめてコンロッド小端部に入れてまわしてやれば良い。水でも良いがCRCでも良い。ピンが入って回転出来る程度でクリアランスは狭い方が良い。ちなみに機械加工する場合のピンクリアランスは2/100mm。
・ピストンにリング部にオイルを塗ってサークリップを片方だけ入れておく。
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・ピストン裏の穴やピンが入る所にオイルをたっぷり塗る。
・ピストンピンにもオイルを塗って入れてみる。入らない場合はドライヤー等で温めてピストン温度を上げれば軽く入る。軍手をしていないとかなり熱い。 |
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・ピンを入れてサークリップを取り付けて6気筒分完成。 |
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・シリンダーにオイルを塗りピストンにもオイルを塗る。ピストンリングにもたっぷりとオイルを塗りリングを回転させてリング溝にもオイルを入れてやる。
・リングはピンのある面を避けて120度間隔位合口をはなしてセットする。
・コンロッド側メタル クランク側にもオイルを塗る。
・素手でオイルを伸ばしてやる。素手でさわればゴミやバリがあった場合すぐにわかるからだ。 |
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・ピストンコンプレッサーをセットしてある程度締め込みブロックに沿うように軽くゴムハンマーやプラスティックハンマーで叩き柄の部分でコツコツと軽く叩いてピストンを入れる。途中で引っかかったら無理に叩かずやり直す。無理にやれば薄いオイルリングが引っかかって折れ曲がって入ってしまう。 |
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・コンロッド締め付けトルクは6.6kg-m 3回位に分けて締め付けていく。(純正コンロッドボルトの場合は最終5.5kg-m)1気筒終わるたびにクランクキーにモンキーを引っかけてまわしてみる。軽くまわれば良い。ここで重たい場合はコンロッドキャップが逆になっている場合が多い。メタルの爪が同じ方向になってないといけない。国産純正コンロッドの場合は逆になっていても重くならない事が多い。円の精度が良い。今まで分解してみたら逆になっていたエンジンを何基か経験したが特に問題はなかった。 |
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・6気筒組んでブロック外側をパーツクリーナーで流し片坊が送ってくれた耐熱赤を缶スプレーでブロックを塗った。耐熱塗料は200度位の温度をかけないと完全硬化しない。ブロックは80度位しか上がらないのでホームセンターや100均の塗料で十分で逆にはけ塗りの方が剥がれにくい。はけでゴリゴリ押し付けるからだ。鋳造肌があるのではけ目も出ない。
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・なんか世間ではMe Too運動が流行っているらしい。コンロッドに穴がなかった時なんかにする運動だろうか?
・働き方改革で来年こそはゴールデンウイークを楽しみたいと思う今日この頃だ。 |
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・去年の夏から家族が大病になり・・・
しかも二人も・・・ 看病に追われて作業が進まない状態だった。
久しぶりにブログを更新・・・
・クランクキャップの棒状のオイルシールを打ち込む
・かた坊が持ち込んでくれたOHキットから使ったが外国製なのでガバガバ状態なので液体GKを塗って差し込んだ。
・ちなみにこの棒 いっちょ前に向きがある。柔らかい方を外に向けて挿入する。 |
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・ソアラブログでストレーナー位置を前に持って来た。
・オイルストレーナー中古を何個も持ち込んでくれているがハコスカ用がない・・・
・新品を買うにも結構高いので一度、切断して向きを変えて溶接した。 |
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・クランクリアオイルシールは亀有エンジンワークスの強化シールを適当なソケットをあてて打ち込む。 |
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・矢印のカラーがないので新品を取り寄せて装着。 |
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・フロントカバーを装着してボルトを外そうとしたら折れた・・・ |
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・こうゆう場合に人類が考える事はだいたい4通りに限られる。
aアルミカバーを熱して膨張させてバイプラ等でまわす。
b鉄のネジを熱して水をかけて折れボルトを収縮してバイプラ等でまわす。
cナットを溶接してまわす。
dあきらめて寝る。
今回はカバーを組んでいるのでアルミカバーを炙るaの方法は使えないのでbを試してみたがダメだった。
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・cで成功した。 |
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・オイルポンプを組むが事前にエンジンオイルを抜入れておく。
オイルを入れてシャフトをさしてまわすとオイルが入って行く。 |
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・クランクプーリーと点火時期の数字を書いたプレートを何個も持ち込んでくれているが組み合わせが上手くいかない。プーリーが前期なら針みたいなやつで後期の場合は数字を書いたプレートになるがクーラー用のプーリーは前期タイプしかないのでそれを使った。矢印の指示針はばん線で作った。
・@が0度(上死点) Aが5度 順次10度 15度と5度刻み。
一事が万事このような調子で時間がやたらとかかる・・・ |
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・プーリー0度で画像のように面積が狭い方が前に向いた所にシャフトが差し込めれば成功。
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・デスビを差し込んでみたら
デスビ側のプレートの固定用の穴が全く合わない。
・デスビカラーも何個も来ているので合わせてみるが全てダメ。
・結局 ポイント用デスビに付いていたプレートを裏返して装着した。
・クランクプーリの刻みを上死点前15度にしてデスビのローターが1番プラグコードの位置に来るようにデスビを回転させて固定した。
・デスビはヤフオクで出品されていたフルトラ改造済みデスビを落札してくれて送ってもらっている。
・このタイプはセンサーとイグナイターが一体でシンプルなのだがCDI取付等追加改造は難しくなる。 |
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・このブログの中で以前 IC内蔵オルタ取付に触れたので詳しい事は省略する。
・白色配線にキーONで12V
・抵抗は100Ωを使っている。 |
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・カプラーがないので画像のように配線を取り付けてテスト。
・インパクトでオルタプーリーをまわしてB端子が13V〜14.5V確認した。
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・その後 オイルエレメントにエンジンオイルを入れて装着。
エンジンオイルを4Lいれて・・・
ひたすらクランクプーリーをまわす!
もちろん手動で・・ カムからオイルが出るまで・・
たぶん死ぬ・・・ ゼーゼー言いながら 約20回全力でまわしたらオイルが上がった・・・
回転スピードはおそらく30rpm位だ・・・
20代の頃は8300rpmまわして焼き付かせたものだが歳にはかてないな・・・(棒)
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・クーラーコンプレッサーはワゴンR用 L型用コンプレッサーベースを加工している(棒) |
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・クーラーベルトサイズ(棒) |
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・たこ足に送ってもらった耐熱ラップを巻いた(棒)
所で(棒)の使い方はこれであっているのだろうか・・(棒) |